脊髄腫瘍の部屋

脊髄腫瘍のブログ・脊髄腫瘍について

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手術説明書(総合病院)③

☆脊髄腫瘍摘出手術の合併症について

①手術中、手術後の出血
腫瘍摘出の過程で大量の出血となることがあります。
また、手術後に血の固まり(血腫)ができて、新たに脊髄の圧迫症状が出現することもあります。
このときは、血腫除去の手術が必要なこともあります。

②脊髄・神経根損傷
手術中に脊髄や神経根を栄養とする血管を損傷し、その結果、脊髄や神経根の障害を生じる可能性があります。
また、手術後に一過性に脊髄の浮腫などにより脊髄症状の悪化をみることがあります。

③髄液漏
腫瘍摘出の過程で硬膜という脊髄を被っている膜を切開・切除する場合があります。このようなとき、術後に脊髄液が皮膚の下に貯留することがあります。
また、最悪の場合には細菌性髄膜炎などの重篤な合併症を起こすこともあります。

④脊椎変形・不安定性
脊髄腫瘍の手術では、脊髄を被って保護している脊椎といる骨を一部切除する必要があります。
脊椎は体を支える支柱の役割を担っていますので、この操作により脊椎の変形や不安定性を生じることがあります。手術後の脊椎変形や不安定性を予防するため必要なときには、特殊な固定器具を長期間必要とすることがあります。

⑤呼吸障害と肺炎
頸髄の手術では、呼吸や咳のための神経が障害され呼吸障害がおこったり、痰が十分出せないために肺炎にかかりやすくなります。

⑥褥創
手術時間が長くなり同じ体位をとり続けると、手術台などの器具に接触している手足、体部、頭部などに褥創を生じることがあります。

⑦感染
生体は皮膚、粘膜などに被われ外からの微生物の侵入を防いでいます。手術により脊髄、硬膜、皮下組織などを露出します。我々は無菌手術を心がけていますが、手術の際微生物の侵入を100%ゼロにすることは現在の医学水準からは困難です。従って、術中、術後にわたりこうした微生物を殺す薬剤すなわち抗生物質を投与します。多くの患者さんではこうした治療により術後感染の問題は生じませんが、患者さんの抵抗力が弱かったり、抗生剤の効き目が悪かったりすると術後、細菌性髄膜炎、脊髄膿瘍、皮下膿瘍などの感染性合併症を生じる可能性があります。      

⑧麻酔、輸血、薬剤などによるショック、肝炎の感染の危険性
手術のためには麻酔薬、抗生物質をはじめ様々な多くの薬剤を使用します。
人によっては使用した薬剤に対し過敏なショック反応(薬剤アレルギー)や予想しえない副作用を生じることがあります。
手術時、皮膚切開などからの出血をできるだけ少なくすることを心がけますが、出血量が多くなると輸血をする必要があります。輸血用の血液は病院で用意します。これらの血液はすべてB型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス、エイズウィルス、梅毒の検査がすべて陰性のものです。
しかし、これらの検査は100%完全ではなく稀に輸血によりこれらの感染症にかかることがあります。

⑨糖尿病、高血圧、肺気腫、胃潰瘍、パーキンソン病、内分泌疾患、精神疾患など
様々なこれまで顕著化していなかった疾患が手術を契機として発症することがあります。
また患者さんがこれまで既往疾患として持っておられる病気がより重くなることもあります。

⑩その他予想外の合併症
稀ですが、こうした合併症が発生する可能性は否定できません。
我々は厳重な術中、術後管理にて合併症の発生を防止するよう努力しますが、残念ながら予想できない事態が起こって合併症を生じることがあります。
これらの合併症を生じ、最悪の場合は死亡したり、重い神経後遺症を生じる可能性もあります。
…御了解頂けれましたら、ご署名が御署名かチェックをお願いいたします。(  )□

☆手術侵襲が拡大する可能性について
合併症のところで述べたように、手術中に出血を生じ出血が止まらないときやその他の予想していない事態により、予定していた手術よりも手術侵襲が拡大することもあります。
…御了解頂けれましたら、ご署名が御署名かチェックをお願いいたします。(  )□

☆腫瘍摘出後、再手術あるいは他の治療を必要をする場合について
我々は1回の手術にて目的とする腫瘍の摘出をめざします。
しかし、無理をして腫瘍を摘出することにより重要な血管や脊髄組織を損傷し、手術後に重い後遺症が出現する可能性の高いときは途中で手術を止めることがあります。このように1回の手術で効果的な治療ができなかったときには、再手術を計画するかまた別の治療法を計画し患者さんに再度説明いたします。
手術には気管内に人工呼吸のためのチューブを挿入して、全身麻酔により行いますので、手術に伴う痛みは感じません。しかし、この影響により手術後に喉の不快感や声が一時的にかれたりすることがあります。
…御了解頂けれましたら、ご署名が御署名かチェックをお願いいたします。(  )□

☆その他
 年  月  日
りんくう総合医療センター 市立泉佐野病院 脳神経外科 説明医師氏名(          )
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手術説明書(総合病院)②

☆脊髄腫瘍の治療について

①薬による治療
ある種の腫瘍に対する縮小効果が報告されていますが、現在の医学レベルでは治癒は期待できません。

②血管内外科治療による腫瘍栄養血管の塞栓
手術治療の補助治療として、当院でも血管内外科手術により腫瘍の栄養血管を閉塞させる処置を行うことがあります。しかし、栄養血管が完全に塞栓されたとしても、その効果が永久に続くことはありません。
現在の医学レベルでは、この方法により腫瘍を消失させることはできませんが、手術中の出血を軽減させより安全な手術を行うことができる場合があります。
但し、栄養血管以外を閉塞させると麻痺などの神経症状が生じる可能性があります。

③放射線治療
脊髄腫瘍に対しては放射線治療が有効なものがあります。しかし、腫瘍以外の組織にも放射線が照射され、後に放射線壊死や悪性腫瘍の発生した例が報告されています。このため、放射線治療は手術的に摘出困難な部位等に限られた症例に行われることがあります。

④エックスナイフ(特殊な放射線治療装置)による治療
エックスナイフやガンマナイフによる治療は多くの脳神経外科施設にて行われています。
そしてある種の脊髄腫瘍に対する治療効果も確認されています。
我々の施設ではガンマナイフは有りませんが、エックスナイフが有ります。我々はガンマナイフ治療の方がエックスナイフ治療より適切であると判断したり、特にガンマナイフを希望される患者さんにはガンマナイフ治療が可能な施設を紹介しています。ただしこれらの治療には次の問題点があります。

☆問題点
①治療後、効果がでるまで約1~5年の時間経過が必要と考えられています。 1回の治療では効果がでない場合もあります。
②脊髄の機能障害が照射1~2年後に生じる可能性があります。
③大きな腫瘍では適応とはなりません。(通常3㎝以下)

⑤手術治療による治療。
Ⅰ腫瘍の病理組織が得られるので、良性か悪性かの判断が可能です。
Ⅱ良性の腫瘍では全ての腫瘍を摘出ることにより治癒が期待されます。
Ⅲ全ての腫瘍を摘出することができなくても、腫瘍の周辺組織への圧迫を軽減することにより症状の軽快が期待できます。しかし、手術時期によっては、脊髄の障害が不可逆的になっていることも考えられます。
…御了解頂けれましたら、御署名かチェックをお願いいたします。(  )□

☆我々の計画している治療法について
今後の治療方針は腫瘍を可能な限り摘出して、現在の症状の改善や上に記載した症状の出現、再発を防止することです。手術的に腫瘍を摘出するのが一番良い方法であると我々は考えています。
…御了解頂けれましたら、御署名かチェックをお願いいたします。(  )□

手術説明書(総合病院)①

☆脊髄髄内腫瘍の手術説明書
管理人の手術説明書です。管理人は脊髄髄内腫瘍の頸髄の5番目(C5)の上衣腫です。
この手術説明書はりんくう総合医療センターの脳神経外科が作成したものです。
この病院で手術は受けず、セカンドオピニオンで大阪市立大医学部附属病院の脳神経外科で手術を受けました。

☆脊髄髄内腫瘍の手術説明書(りんくう総合医療センターの脳神経外科が作成)

☆脊髄腫瘍という病気について
脊髄腫瘍とは、脊髄やその周囲の組織に発生した腫瘍により、脊髄や神経根が圧迫される病気の総称です。
これには脊髄の周囲の硬膜より発生する髄膜腫と神経の周囲の細胞より発生する神経鞘腫、さらに脊髄そのものより発生する神経膠腫の3種類が代表的な腫瘍として挙げられます。
さらに、それ以外の癌などの悪性腫瘍や類上皮腫、血管腫など色々な腫瘍も含まれます。 これらの病気の原因は不明ですが、多くは子孫に遺伝する病気ではありません。

この病気の主症状は、腫瘍の種類に関わらず通常は脊髄圧迫症状です。
多くは四肢の神経痛や筋力低下、感覚のしびれがみられます。中には、比較的急激に発病して手足が動かなくなったり、尿や便の失禁、呼吸障害など重篤な症状を示す例もあります。
また、最近のMRIやCT検査の進歩により、これまでなんら病気の兆しも無いのに偶然の検査で見つかることがあります。
…御了解頂けれましたら、御署名かチェックをお願いいたします。(  )□

☆患者さんの現在の状態について
患者さんは脊髄に腫瘍を認めます。画像診断だけではどのような種類の腫瘍かを断定できませんが、放置すれば腫瘍が増大し症状が進行することが予測されます。

手術説明書(大阪市大)⑤

☆手術方法の変更について
手術中の予期できなかった状況により、予定した手術方法以外の操作を加えることがありえます。
また、いろいろな状況下で、患者さんの安全のために手術を中止することがあります。
その場合には、治療方法を再検討します。 上記の術後合併症が生じた時に緊急な対応が必要な際には、患者さんおよびご家族に状況の説明ができないことがあります。その時は、事後説明になります。      

☆全身麻酔の問題点
手術は全身麻酔で行います。麻酔は麻酔科が担当します。
心肺機能が低下している患者さん、高齢者の患者さんでは、全身麻酔により心臓、肺臓、肝臓に負担がかかりやすくなります。心不全、肺水腫(肺に水がたまる病気です)、肝機能障害が術後に生じることがあります。 術前・術中・術後に使用する薬剤によるアレルギー反応、肝障害、腎障害を来すことがあります。
ごく稀ですが、周術期の安静によって下肢の血流うっ滞が生じ、肺塞栓という致死的な病態をきたすこともあります。

☆薬剤・輸血の問題点
術前・術中・術後に使用する薬剤によるアレルギー反応、肝障害、腎障害を来すことがあります。重篤な場合には死亡原因になります。
手術の際には輸血は可能な限りいたしません。但し、長時間の手術、出血量が多くなった時には、止むを得ず輸血をします。輸血をすると、肝炎などの感染症、アレルギー反応が生ずる危険性があります。

☆その他
ここに記載した内容は、病気について一般的に考えられていること、発生頻度の高い合併症についてです。
個々の患者さんの状態によりさらに注意すべき問題点があります。 今回では次の点に特別な注意をはらう必要があります。
①症状の悪化(四肢運動障害、感覚障害、歩行障害、排尿排便障害)
②感染
③創部の開き
④下肢深部静脈血栓症による肺梗塞

説明日 2002.12.27
説明者 大畑健治
医療従事者同伴者
患者さんおよびその家族同席者

手術説明書(大阪市大)④

☆術後出血
術後に手術した部位に出血を来すことがあります。
出血がひどいときには、脊髄を圧迫して麻痺がでることがあります。
このために、四肢麻痺にある危険性があります。したがって、状況に応じて緊急処置を行います。 

☆術後感染症
①手術した部位に細菌感染を生じることがあります。 この場合、再手術をしてゴアテックスや作り直した椎弓を除去することがあります。 長期にわたって抗生剤を投与することがあります。
②感染症が長引けば、抗生物質が効かない細菌が増殖してくることがあります。 いわゆる、院内感染症といわれる現象で、この細菌は極めて毒性の弱いものです(MRSAと呼ばれます)。 抵抗力の弱い患者さんでは、この菌のために重篤な状態となり、死亡することもあります。
③その他の感染症には、呼吸障害に伴う肺炎、排尿障害に伴う尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎)、敗血症(血液内で菌が増殖)なども含まれます。 これらの感染症は、さまざまな原因がありますが、患者さんの抵抗力が弱いときには致命的になります。 全身麻酔後は、啖の排泄が不十分になるため肺炎を生じやすくなります。 また、尿から感染も合併しやすくなります。点滴用のカテーテルから炎症が生じて発熱することもあります。
④術後の死亡原因の多くは感染症です。基本的には抗生物質により治療します。抗生剤の使用によりMRSAという特殊な細菌が生じることがあります。この場合には個室に隔離します。 抵抗力の弱い患者さんでは、本来弱い菌であるMRSAにより重篤な感染症を合併することがあり、致命的になることもあります。

☆創の問題点
背中の筋肉には大きな力が普段からかかります。
縫い合わせた筋肉の糸が切れることがあります。その時は状況に応じて再手術で再度縫い合わせます。
術後、短期間または長期にわたって、後頚部の創部痛が生じることがあります。
その程度はさまざまで、重篤な例では、あらゆる鎮痛剤が無効です。強い場合には、手術を契機として<うつ病>などの精神病が発症したことを疑い、精神科での治療を行う場合もあります。

☆その他の問題点
①右下になってもらいますので、右脇が術後に痛むことがあります。 また、右膝で神経が圧迫されて一時的な麻痺がでることがあります。
②深部静脈血栓症に伴う肺梗塞:下肢の静脈に血栓が生じ、はがれた血栓により肺動脈が閉塞することにより生じる、重篤な合併症です。中年以後の肥満の女性に起こりやすい傾向にあります。安静期間が終わって、歩き出す際に突然に発症します。 予防としては、術中から下肢にストッキングを付け、さらに足底部に間歇的圧迫装置(AV impulseという商品名)を装着します。これだけでは防げない可能性もあります。一旦発症すれば、程度に応じて、ヘパリン投与、血管撮影、シンチグラム、上行大静脈へのフィルターの留置、開胸手術による血栓の除去などが必要になります。

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